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龍神村森林組合 専務の『林業よもやま話』

「龍神材」地域団体商標登録(H22.12.21)

 昨年12月に「大連視察記」を書いて以来、早くも一年が過ぎてしまいました。その間、いろいろなことがありましたがこの11月に地域団体商標登録が認められた「龍神材」について書きたいと思います。

 龍神村地域は木材の生育に適していて、生産される木材(杉・桧)は年輪が細やかで木目・色合いが美しいと高い評価を受けています。昨年夏、地域ブランドとしてこれを商標登録出来ないかと思い立って準備を始め、昨年12月に出願し、この11月に登録が認められました。今年の夏には「周知性」に関してなど追加の資料提供を求められ、多くの方々にお世話になってやっと登録に至りました。お世話になった皆様に御礼を申し上げます。

龍神材登録証

(登録証の写真)

 この「龍神材」のブランド化の取り組みは昭和40年代に始まります。昭和40年に旧3組合が合併して龍神村森林組合が誕生し、また林業に関係する様々な団体が発足して活発に活動していました。そして、昭和45年に龍神林業開発会議が出来ました。これは、林業関係団体や行政が集まって話し合い、いろいろなことを実践して現在の龍神林業の骨格を作った組織です。(私は昭和43年生まれでこの龍神林業が活発で、父やその世代の人たちが華々しく活動しているのを子供ながらに見て育ちました。)この龍神林業開発会議が中心になって、「龍神材」のブランド化の取り組みがされました。

その第一歩が当組合の原木市場開設です。

木材市場

(市場写真)

それまで山主がそれぞれ個別に売っていた木材が、ここに集まったことで龍神村の木材「龍神材」となりました。また龍神林業開発会議では、良質材を育てるために密植・間伐をすすめたり「枝打ち100万本運動」などいろいろな取り組みをしました。そして宣伝のための標語を作ったりしています。「紀州の銘木 龍神材」「あなたの住まいに龍神材を」などの標語が私の家の玄関先にも貼られていました。

また、当組合の製材所が製品を東京の木材市場に送りここで好評を得たこともブランド化につながっています。数年前からこの市送りはほとんどしていませんが「大紀州材展」に出荷して私が初めて見学に行った時には、ある材木屋さんが「久しぶりに龍神さんの木かい。ココのは色がきれいでいいんだよねー。」と話しているのを聞いてとても誇らしい気持ちになりました。

龍神材 製品

(製品写真)

これまでの人々の取り組み・苦労の積み重ねの結果、今回当組合の「龍神材」地域団体商標登録が認められました。林業は幾世代もの間をかけて成り立っています。山にある木と同様、先人たちが残してくれたこのブランドをどう生かしていくのか、また後の世代に何を残せるのか、私たちは問われているような気がします。

平成22年12月21日

龍神村森林組合    

代表理事専務 眞砂佳明

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